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日志


3月1日

携帯電話のマナー

日本に比べると、ヨーロッパは公共の場所での携帯電話の使用に寛容だ。たとえば列車の中。ユーロスターやイギリスの電車の中では、あちらこちらで座席にいながらにして携帯で話す人が目に付く。日本なら「デッキに出てお話ください」とアナウンスが流れるところだが、こちらでそんなことをしている人はほとんど見かけない。日本のマナーを当たり前と感じている人は違和感を感じるのではないだろうか。
 
私の感覚では、別に人の話し声そのものはどこからでも聞こえてくるわけで、そのうちの誰かが電話で話しているからといって、大きな声でさえなければさして気にはならない。というわけで、私は列車内の携帯電話使用容認派である(ただ、けたたましい着信音(Ring tone)は迷惑だが)。日本はやや神経質すぎないかと思ったりもするのは、日本を離れている期間が長いゆえか、はたまた、ヨーロッパの携帯事情が日本より数年遅れているということなのか。二、三年もすれば、車内での携帯電話使用は控えましょう、なんていうキャッチフレーズがこちらでも出回る日が来るのかもしれない。
 
 
今日のイギリス英語
mobile = ケータイ。mobile phoneで携帯電話。「モーバイル」と発音する。"Ring me on my mobile."「ケータイに電話して」。 アメリカではcellまたはcellphoneが一般的(cellular phoneの略)。
2月9日

愛称と本名

英語圏の人のファーストネームは省略された愛称で呼ばれることが多い。普段の生活でも本名ではなく愛称を使っている人も多い。そういう人は名刺などでも愛称を印刷するので、しばらくしてから本名が別にあるのだと気が付くこともある。ただこちらの場合、使われる名前のパターンが日本よりも少ないせいか、愛称が自然と決まっている。代表的なものを挙げてみると:

 

本名 à 愛称

Robert à Bob, Rob

William à Bill, Will

Henry à Harry

Barry à Baz

Anthony à Tony

Nicholas à Nick

Andrew à Andy

James à Jimmy, Jim

Philip à Phil

Stewart à Stew

Samuel à Sam, Sammy

John à Johnny

Richard à Rick, Dick, Ritchie, Ricky

Elizabeth à Liz, Beth, Betty

Katherine à Kath, Kate, Kathy  (Catherine と綴るのはフランス風)

Susan à Sue, Susie

Sarah à Sally

Caroline à Carrie

Christian (), Christine(女)à Chris

Alexander(), Alexandra(女)àAlex 

 

という具合にきりがない。

昔、仕事でみんながずっとBillさんと呼んでいる人がいたのだが、名刺を見るとWilliamと書かれており、頭が混乱していた会社の人がいたことを思い出した。

 

そういう私も実は、ずっとNickだと思っていた人のパスポートを見ると本名がNicholas だと知って少々驚いたということがあるが、これは英語圏の人にとってはごく当たり前のことで、むしろ普段使っている名前が愛称ということの方が多いくらい。

 

Philという名前をずっと公の場で使っている友人がいるが、彼によればPhilipと本名であらたまって呼ばれるのは母親にしかられる時だけなので、どうも落ち着かないということだった。

 

ただし、愛称に見えるが実はそれがそのまま本名として登録されるというパターンもあるので、そこは注意が必要。

2月8日

国ごとに見るホテルの違い

週間前に行ったセミナーが好評であったため、第二回目が開催される運びとなった。場所はレディングの近く。プレゼンターの私は翌朝が早いので、今晩はホテルに泊まることにした。

 

ホテルも国ごとに個性が出るところである。たとえば日本のホテルの特徴をあげれば、宿泊料金を部屋ではなく頭数で取ること、スリッパと浴衣、歯ブラシが備え付けられていること、ブロードバンドが無料で使えること、大浴場があることなど。料金前払いというのもこちらでは見たことがないが、日本ではビジネスホテルを中心に結構ある。

 

イギリスのホテルは古い建物が多く、極端なところでは床がきしんだり、傾いていたりする。じゅうたんはたいがい重厚な色と前時代的デザイン。部屋には湯沸かし器とティーセットが備え付けられており、クロゼットにはCorbyのズボンプレッサーがある。これらはイギリスならでは。あと、これは欧米ならどこでもそうだが、スリッパ、寝巻き、歯ブラシはない。私は外泊の時、スリッパと寝巻きを持ってくるのをよく忘れて困ったものだ。

 

ドイツやオランダのホテルは小規模でもモダンでシンプルな近代的デザインのホテルが多いのが特徴。インテリアも凝っており、かなりおしゃれでもある。ただ、バスルームには湯船がなくシャワーだけということが多い。私がよく泊まるホテルはガラス張りの円筒形のシャワールームが部屋の端にあり、そのいでたちはさながらSF映画に出てくる人体実験用の透明カプセルのようだ。日本だとここまでモダンなインテリアはある特定の種類のホテルくらいだろう。

 

フランスのホテルも古いところが多いが、最近はホテルチェーンのAccorグループが躍進しており、格安ビジネス系のIbis、やや高級路線のNovotelSofitel などがポピュラー。これらはみな近代的な設備が売りだ。

  

アメリカのホテルは、東海岸の大都市を除けば、とにかく部屋が広いのと、朝食がたらふく出てくるのが特徴か。ネット接続は早くから普及していたが、ブロードバンド化では日本よりも遅れている(ヨーロッパよりはずっとましだが)。モーテルが多いのもアメリカならでは。ヨーロッパにはないスタイルだ。

 

 

今日のイギリス英語

Shower cubicle:シャワーを浴びるためだけに仕切られたスペース。

2月6日

スーパーボウル、いつの間に・・・

イギリスの冬は暗くてじめじめとみぞれ交じりの雨が降るのがお決まり。あまりの陰鬱さに毎年この時期はうつ病になる人が増えるほどだが、今年のイギリスの冬は雨も雪もほとんど降らない。ラジオで言うには1月の降雨量はなんと72年ぶりの少なさだったらしい。ずいぶんと空の明るい冬である。気温も寒波続きのヨーロッパ本土と違い、0度以下に下がるのは明け方だけ。かなりすごしやすい冬と言える。

 

ところで、毎年この時期はアメリカ全土がスーパーボウルで盛り上がる。TV放映は全米で40%の視聴率という、モンスター番組。ゲームそのものもさることながら、各スポンサーがここぞとばかり力の入った大型CMを繰り出してくるので、CMも大注目。ゲームの翌日にどこのCMが良かったかを仲間で話し合うのもアメリカの風景の一つ。

 

そんな風だから、アメリカに暮らしているときはいやでも耳に入ってくるスーパーボウルだったが、なんと今年は気がついたら終わっていた。イギリスではまったくといっていいほど騒がれないし、ちらとも話題にも上らないから、いつの間にか終わっていたのだ。さまざまに共通点の多い欧米文化ながら、スポーツの好みだけは驚くほど異なるアメリカとヨーロッパである。

1月28日

音楽的な言語

Message
イタリア語というのはリズミカルで、聞いてて実に楽しい言語であるが、それ以外に私がいつも音楽的だなあと思う言語がある。それはポーランド語だ。言語分類上は西スラブ語群に属し、いわゆる東欧の言葉。確かにお隣のドイツなどとは響きが大きく異なる。どう違うかと言われると難しいのだが、ポーランド語は「ぽろぽろぽろ」といった感じの、やわらかい音が連なって舌の上で転がるような、そんな響きが感じられるのだ。やはりロシア語にやや近い(あくまで感覚的にだが)。
 
このポーランド、今まで二度ほど訪れているが、なぜかどちらも2月。実は今年も2月後半か3月頭に出張予定が入りつつある。今年のポーランドは大寒波到来で凍死する人もかなり出ているほどなのであまり気が進まないのだが。ちなみに2月はデンマークへの出張予定も入っており、来月は極寒ツアーになりそうだ。
1月20日

ダークスーツ

最初のイギリス赴任のとき、金融街シティで働く知り合いから、イギリス人はスーツはダーク系しか着ないから、明るいグレーや、茶系のスーツなどを着ているととても目立つという話を聞いた。注意して見ていると確かに、どの人も黒、紺、チャコールグレーなどのダークスーツばかり。見事なまでにダークだ。デパートのスーツ売り場でもダーク系しか売られていない。

 

 

昔日本人が一様にグレーのスーツを着て集団で歩く姿が「ドブネズミルック」などと海外から揶揄されたものだが、イギリス人のダークスーツ志向も徹底している。ただ、その代わりイギリス人はYシャツに目立つ色を選ぶ人が多く、ピンク、濃いブルー、ライトブルー、薄いバイオレットといった色の無地のシャツに同系色の濃い目のネクタイを締め、ダークスーツで身を包む。スーツの胸に鮮やかなハンカチーフをのぞかせる粋な人も見かける。女性のスーツ姿もおおむね同じ傾向。みんなダークスーツに鮮やかな色のシャツがのぞく。日本人ビジネスマンの多くが着る白いシャツはむしろ少数派だ。というわけで、明るい色のスーツはこちらでは非常に浮くので、イギリスに出張に来るビジネスマンはご注意を。
1月16日

学校を評価採点すること

昨年最初の出張は確かノルウェーのオスロだったが、今年最初の出張はドイツ。月曜朝一のミーティングに出席するため、日曜夜のフライトでデュッセルドルフ入り。飛行機が2時間も遅れ、チェックインしたときはすでに夜の11時だった。明日のミーティングの発表資料の最終仕上げを終え、今これを書いている。

 

日本で小中学校を成績評価するという試みが進んでいるという記事を目にした。自己採点評価に加え、生徒が学校を採点する項目もあるようだ。学校を客観評価して採点するという試みだが、イギリスではすでにかなり以前から実施されている。国が指定した審査官が、学校の施設、カリキュラム、生徒の成績、親の評判、英語が母国語でない生徒への対応、身体障害児への対応など様々な視点から評価し採点する。しかもその結果はインターネットで一般に公開されるのである。採点結果はもちろん、生徒の成績平均に外国人の数、人種構成、親の生の声まで掲載されており、その上で審査官による学校への改善提案で締めくくられるといった具合で、内容は驚くほど充実している。私もイギリスに越してくる前、どこの学校が娘によいかを選ぶのに大いに参考にさせてもらったものだ。評価採点するだけでも大変なことなのに、これだけのものを一般公開するとなると、日本ではどんなに様々な抵抗があって難しいだろうかと考えると、このイギリスのシステムは衝撃的でさえある。

 

その記事では「生徒が教師や学校を評価するなんて」という抵抗があるということが書かれてあったが、生徒が学校や教師を評価したり、部下が上司を評価するのは360度評価と言って、英米では当たり前。私は自分の上司を評価したことがあるし、留学時代は生徒として教授の授業を評価採点したものだ。生徒の評価が昇進や給与に反映されるため、教授陣は真摯に受け止めて自己の授業改善に努めるという仕組みが定着していた。日本はその点、教師が生徒を見下したり、上司が部下を見下すような考え方がまだまだ強いようだ。
1月14日

ファーストネーム

欧米といえばお互い堅苦しい敬称などなしに、ファーストネームで呼び合うのが普通、と若いころは思い込んでいた。実際、イギリスではダイレクトメールの書き出しにも自分のファーストネームが書かれていたりするし、Eメールにいたってはさらにファーストネームの世界だ。アメリカでは勧誘の電話でファーストネームでいきなり呼ばれて “Hi, how are you doin’?”とくる始末。だから欧米の外国人と話すときは気安くファーストネームで呼ぶように心がけていたことさえある。結果、イギリスやアメリカでの生活では友人や仕事仲間の苗字を知らないなどということがままあった。

 

しかし、それが必ずしもヨーロピアンスタンダードではないということを知ったのは、アメリカ時代のクラスメートにドイツ語を教わっている時だった。その後ドイツで働いてみてさらに実感したのだが、お互いファーストネームで呼び合うのは同年代の友人同士に限られる。たいていの場合、特にビジネスの現場ではHerr. Zimmermann とかFrau Jaegerといった具合に苗字に敬称を付ける。 だからドイツではアメリカやイギリスとは逆に、仕事仲間のファーストネームをあまり知らないということが起こる。ただ、ドイツ人も英米文化ではファーストネームが中心ということは当然知っているので、外国人との英語でのコミュニケーションではファーストネームを使うようにしているところは日本に似ている。

 

というわけで、ファーストネームで呼び合うのは必ずしも欧米の文化ではなく、あえていえばアングロサクソンの文化なのだ。 

 

フランスやイタリア、スペイン、東欧などではどうなのだろう。ラテン系の国ではファーストネームを使うことが多い印象があるが、私は定かではない。

 

今日のイギリス英語

surname: 苗字。アメリカではFamily nameと呼ぶことが多い。

1月4日

New Year's Resolution

UK(*下記参照)は今日三日が仕事始め。欧米では通常は二日が始業日だが、今年は一日が日曜であったため二日も振り替えでBank holidayとなった。

 

日本でも年始に一年の目標を立てることが多いが、こちらでもその習慣はあり、それをNew Year's Resolutionと呼ぶ。イギリス人のResolutionを聞いてみると「フランス語を勉強する」とか、「ジムに通ってダイエットする」とか、日本同様ごく普通の目標を立てるのが一般的。

 

私のResolutionは、仕事面では現在の職務が3年目に突入したので、次のステップに進むために新たな方向性を打ち出したい。プライベートでは・・・「新たな料理をいくつか覚える」というのはどうだろうかと思っている。私はほとんど料理らしい料理ができないので、これを少しでも克服したいのだ。あとはドイツ語の勉強を再開することか。こちらは仕事、プライベート両方で役立つ。フランス語も少しくらいできないと不便だと先日思い知らされたが、ちょっと欲張りすぎだろうからこちらは今年のResolutionにはいれずにおく。

 

*上でUKは3日が仕事始めと書きましたが、カレンダーを見るとスコットランドだけは3日もBank holidayでした。このように、UKでは地域によって少しだけ祝日が異なります。

12月23日

ドイツ人とジョーク

21日から22日にかけてフランクフルトに出張。今年最後の出張になる。フランクフルトはドイツの金融の首都で、高層ビルが立ち並ぶ近代的な街だ。ドイツでこうした高層ビルが見られるのはこことベルリンぐらいではないか。

 

一緒に出張したイギリス人と夕食のために中心街に出たが、人出はかなり少なく街はさみしかった。クリスマス前の平日の夜、観光客もビジネス客も少なく、あまり盛り上がらないのだろうか。

 

ピルツ(ピルスナー)を一杯やりながら、ドイツ人についての話になったが、いつもシニカルなブラックジョークを連発するイギリス人にとって、しかめっ面でジョークを理解しないドイツ人のメンタリティはとっつきにくいと感じるようだ。確かに、私はドイツ人でジョークを連発するような人にはあまり出会ったことがない。たいていみんなまじめで、冗談はあまり通じない雰囲気。とはいえ、ドイツ人同士が話していれば大きな笑いも起こるのを見ていると、おそらく笑いの質がイギリス人とは異なるための齟齬があるのではないだろうか。言語、文化が異なれば笑いも異なり、そこにコミュニケーションブレイクダウンが起こる、ということなのだろう。

 

 

 

12月20日

クリスマス・イルミネーション

日本のクリスマスはもう6年も見ていないが、当時から、クリスマス前になると窓やベランダに電飾を取り付けて、夜になると派手に光らせるというのがはやりつつあった。最近はそれはさらにエスカレートしているのではないかと思う。この電飾だが、派手さではやはりアメリカが本場。遠慮容赦なく華美な装飾が行われる。中には行き過ぎのものもかなり見受けられる。最近はどうか知らないが当時の日本はこの動きを追随しているように見えた。クリスマスをこのようにショーアップするのはどちらかというとヨーロッパでは敬遠されがちだが、それでもイギリスやドイツでもこの傾向は同様で、年々派手な電飾が増えているようだ。個人的には控えめで素朴なヨーロッパ風のほうが雰囲気があって好きなのだが。下の写真はロンドン中心部のリージェント・ストリート。

 

 

12月16日

クリスマス・マルクト

土日を返上した三泊五日の東京出張から戻り、水曜はロンドンの広告代理店とマーケティング戦略についてプレゼンとディスカッション、今日木曜はピカデリーサーカス近くの劇場で行われた業界団体のカンファレンスに出席。唯一の日本人だったが、こうした社交の場は正直あまり得意ではない。少し疲れを感じる。明日金曜(もう今日になった)は早朝から一泊二日でドイツに出張である。時間があれば、ドイツの風物詩、クリスマス・マルクトでも覗いてこようかと思う。

 

ドイツではこの季節になると、町の広場にクリスマスならではの商品を売る屋台が軒を連ね、人でにぎわう。ニュルンベルクやシュツットガルトなどのマルクト(Markt = 英語のMarket, フランス語のMarcheと同義)は世界的に有名だが、どんな町でも大なり小なりあるので、12月にドイツに滞在すればたいてい体験できる。熱いホットワインを飲みながら、手作りの木工細工などを眺めるのはなかなか楽しい。

 

写真は昨年ドイツのマルクトで買ったクリスマスピラミッド。ろうそく立てがついており、ろうそくを置いて火をつけると上の風車と下の人形がくるくる回る。

12月5日

人がぶつかる東京

週末はロンドンのオックスフォードストリートでショッピング。今年はテロの後遺症などもあり、イギリスの繁華街(High street) は20年ぶりといわれるほどの不景気だが、それでもクリスマス前のこの時期は大変混雑している。
 
私はベビーカーを押していたので、そうとう邪魔だったはずだ。うっかり立ち止まっていた小学生の男の子の足に軽く接触してしまった。男の子はすかさず振り返り、
 
"Sorry about that."
 
なんと私に謝った。ぶつけたのは私のほうである。しかも相手は10歳になるかならないかの子供だ。
 
そこで思い出したのが、先日の東京で感じた違和感。日本ではいとも簡単に人と人がぶつかり、しかも知らん振りをして通りすぎる人が多い。電車で降りる時は後ろからぐいぐい押されることもある。イギリスなら人は極力接触は避けるし、もしぶつかるとすぐに"Excuse me." と挨拶する習慣が染み付いている。それになれてしまった私は、先日の東京では何度か不快な思いをしたものだ。これもしばらく日本に暮らせば慣れるものなのだろうが、外国から来る訪問者は不快だろう。この点は国際化の余地がありそうだ。
 
写真はOxford Street 沿いにある欧州最大のデパート"Selfridge"。
 
11月30日

ヨーロッパの夜景

今日はドイツに出張。朝5時起きで空港に向かい、ルフトハンザでドイツへ。着いてみると驚いたことにデュッセルドルフは雪が積もっていた。聞くと週末にかなり積もったとのこと。ロンドンもとてもすでに朝晩は0度くらいまで気温が下がるが、まだ積雪はない。今年のヨーロッパの冬は数十年ぶりの厳しさとのことらしい。 

 

日帰り出張だったので、夜の飛行機で戻ってきたが、帰りは空がよく澄んでいて、飛行機の窓からロンドンの夜景が眼下に広がる。イギリスでは道路や街路はすべてナトリウム燈なので、夜景はやわらかいオレンジ色だ。ヨーロッパの夜景は日本の夜景とはだいぶ違うなと外を眺めながら考えていた。日本の夜景は蛍光灯の白い光が多く、そこにビルの赤い点滅燈や華美なネオンサインが混じり、混然としている。これは街の風景についてもいえることで、ヨーロッパの街が統一感を持った落ち着いた風景を持つのに対し、日本やアジアの都市のそれは装飾や色使いが派手で騒々しく、ごちゃごちゃしている。

 

どちらが美しいかというのは好みの問題ではあるが、私は、こうした過剰な色やデザインは、「目立てば勝ち」という短絡的なアメリカ的コマーシャリズムの影響が大きいのだと思う。守るべき都市景観がすでにそこにあったヨーロッパと、何もないところから出発したアメリカと戦争で燃え尽きた日本の違いなのだろうか。

11月28日

小切手

イギリスとアメリカでは小切手をよく使う。普通口座を開設すると、キャッシュカード(デビットカード兼用)と小切手帳が手渡される。いわゆるガス、電気、水道、電話といった請求書Utility Billの支払いなどは、小切手に金額を書き込み、サインして返信用封筒で送るだけ。23日後には口座から引き落とされる。現金化するためには受取人が銀行に出向いてサインする必要があるため、仮に紛失しても悪用される可能性は低く、セキュリティ上も安心。学費や車の購入代金の支払いなど、口座残高がある限り、高額決済も可能。

 

もちろん、口座自動引き落とし(Direct Debit)も可能だが、まだ小切手での決済が多い。最近では少なくなったが、数年前はスーパーの支払いも小切手で支払う光景をよく見かけた。現金を持ち歩かない文化はこうした小切手文化の上に成り立っているし、それがデビットカードやクレジットカードの普及にも一役買ったと考えられる。小切手など見たこともなかった当初は戸惑いもあったが、すぐに慣れてその便利さに感心したものだ。

 

日本では銀行口座引落としを行政が奨励したため、小切手が普及しなかったと聞いたことがある。ちなみに、ドイツでも小切手は使われていない。日本と同様の口座引き落としが主流だ。ただ、デビットカードやGeld Karte(銀行カードにプリペイド機能をつけたもの)のような小額決済方法は日本よりも幅広く普及しており、やはり現金はあまり持ち歩かなくてよいのが助かる。先日日本に戻った時、日本ではクレジットカードがかなり普及したとはいえ、まだまだ現金を持ち歩くことが必要な場面が多いなと感じた次第。

  

今日のイギリス英語

cheque = 小切手。米語ではcheckと綴る。イギリスではフランス語風の綴り方。

11月26日

子供の安全に対する責任

広島で、7歳の女の子が下校中に殺された。昨年も奈良で似たような事件があった。同じ7歳の娘を持つ親として、とても胸を痛める。こうしたニュースを聞いていつも思うのは、日本でも登下校に保護者が付き添うべきでは?ということである。当該の学校では今後先生が通学路を監視する体制を取るとか。妻はこれを聞き、通学の安全を確保するのは先生ではなく、親の責任ではないのかと言った。同感である。

 

欧米では子供の送迎は親の責任だ。イギリスでは朝、学校の周囲の道路に送迎渋滞がおこるほど。アメリカではスクールバスが当たり前。これらが正常な姿とは言わないが、少なくとも子供の登下校の安全を親が確保しているということだ。片道1キロもの距離を7歳の女の子が一人で登下校することの不安。日本が安全な国であることはよいことであるが、もはや、近所の大人の目が行き届いた昔の日本ではない。

 

親がパチンコのために子供を車の中に置き去りにするとか、幼い子供に留守番をさせて親が出かけるとか、どれも欧米では親が罪に問われるような話である。日本でも親がもっと子供の安全に対する責任に敏感になるべきだと思う。

11月23日

Kit Kat

私の同僚の若いイギリス人女性は甘いものが大好きで、しかもKit Katには目がない。そんな彼女が以前、日本では抹茶味のKit Katがあることを知り、食べてみたいと私に話したことがあった。
 
日本ネスレのHPで見ると、確かに独自企画商品として、季節に応じてKit Katのさまざまなフレーバーのものが売られているようだ。イギリスにはオレンジとダークチョコ、ホワイトチョコはあるが、日本ほどのバリエーションはない。
 
というわけで、今回の日本滞在時にコンビニに立ち寄ってみたら、イチゴフレーバーのKit Katが売られていたので、まとめて購入、お土産としてイギリスに持ち帰った。彼女は大変喜んでくれたのだが、最初に言ったのが、パッケージのファンシーさだった。外箱の派手さもさながら、中袋がイチゴ色に塗られてきれいなのがとても気に入った様子。なるほど、パッケージにカネをかけないこちらでは日本の包装の芸の細かさは新鮮に写るらしい。私にしてみれば、日本のお菓子は過剰包装で種類も多すぎ、コスト的にとても非効率的に思えるのだが。
 
一緒に飲んだ帰り、わざわざKit Katの買い物につきあっていただいたJさん、ありがとうございました。
11月20日

再認識

金曜の夕方イギリスに帰国。

 

今回の日本滞在は忘れかけていた日本についての感触を取り戻すいい機会となった。普段日本とは違う文化や慣習の中で生活していると、見るもの、体験するものの違いから、日本で生活するのとは異なる基準や価値観が自分の中に出来上がっていく。その異なる基準から日本を眺めると、それまで分からなかった日本の良いところ、悪いところがより客観的に見えてくる。ところが、あまり長く離れていると、逆に自分の頭の中にあった日本のイメージが想像で増幅され、現実の日本とのギャップが生じてしまっていたようだ。それを今回の滞在で修正できた。何事も百聞は一見にしかずで、たまには現実の日本に触れないと、自分の認識もずれていくものだ。また、今回の旅では久しぶりに会う人も多く、そうした人から聞かされる私についての評価も自分と自分のスタンスを見なおすいい機会になった。そういった意味で今回の旅は自己再発見の旅でもあったといえる。

 

日本に着いたときはさほど強い感慨もなく、意外とあっさりしている自分だったが、いざ離れる段になると、妙になつかしさがこみ上げてきた。空港に向かう車窓から見た東京の古い下町の風景、無秩序で猥雑な町並み、けばけばしい広告や看板、懐かしさあふれる田園風景、風情あるもの、醜悪なものすべてをひっくるめて日本であり、それらの矛盾するものも受け入れるところから、国や社会のあり方、ひいては自分のあり方などを見直していくことが大事なのだろうと改めて気付いた次第。

 

 

今回覚えた日本語英語

ゴスロリ = ゴシック・ロリータGothic Lolita の略。古風なメイドなどのコスチュームを着て街を歩くロリータ風少女たちのこと。渋谷で見かけたが、友人によれば原宿に多数出没とのこと。なんか異様。

11月17日

ウォッシュレット

木曜日は昼間千葉に出張、夕方はゆっくりすごすつもりだったが、東京で急なミーティングが入り、急遽あわただしい一日となってしまった。それでも、夜にはMBA留学時代の日本人クラスメートに会うことができた。おいしくていい飲み屋を紹介してもらって、楽しいひと時だった。金曜の朝にはイギリスに帰国する。短くあわただしい出張が終わった。
 
ところで、今回の日本滞在で、日本にあるが海外になくて残念に思うものをひとつ思いついた。それはウォッシュレットである。日本でのウォッシュレット比率は非常に高く、この数年でさらに普及率はアップしたようだ。しかし、海外でウォッシュレットを見かけたことはない。便利で快適なのになぜ海外で普及しないのか、考えてみた。以下あくまで推測。
 
~費用対効果
トイレの価格はウォッシュレットの方が高いと考えられるが、それでも紙が節約できればランニングコストが下がる。日本は紙の価格が高く、水が安いのでそれでペイするが、欧米では逆に紙が安くて水が高い、よってランニングコストも上がってしまうので設置する家主がいない。
 
~取り付けが面倒
設置コストを安くできれば上の問題は大部分が解決するが、海外ではトイレのサイズがさまざまで、統一規格は存在しないようだ。そのため、配管、ユニットの取り付け器具、電気配線など、家ごとに異なり、複雑で結果として費用もかかる。
 
~特許を押さえている
TOTOなど日本メーカーが特許や実用新案でがっちり押さえてしまい、海外のトイレメーカーが参入できないようにしているのかも。
 
~宣伝不足
効果のすばらしさや、快適さを伝えるためのマーケティング投資をしていないため、ほしがる人が出てこず、結果として需要がない(存在を知らない)。また、日本のメーカーは海外での販路を持たないため、たとえほしい人がいても(日本に住んだことがある人など)、手に入らない。
 
~そもそも外国人はウォッシュレットにメリットを感じない
快適だ、清潔だと思う人があまりいないのかもしれない。むしろノズルが不潔だと思うのかも。
 
~暖房便座が嫌われる
生ぬるく、時に熱いくらい暖められた便座は不快に感じる人が多いようだ。私も冷たい方が気持ちよい(欧米ではセントラルヒーティングが普及しており、日本のようにトイレ内が寒いといったことはない)。このことが、直接ウォッシュレットと関係はないものの、日本のトイレは気持ち悪いという印象を与えてしまう。
 
ほかにも理由はあるかもしれないが、私は意外と理由は最後の三つにあるとにらんでいる。誰か、外国人にウォッシュレットの使用感を聞いたことがある人いるでしょうか。
 
金曜は朝6時おきで成田に向かう。
11月5日

秋の夜長の風物詩~花火

今日5日はガイ・フォークス・デイ (Guy Fawkes Day)である。
 
Guy Fawkesとは、イギリス国教会(Angrican Church)優遇政策に反対した過激派カトリック教徒の名前。1605年に国王ジェームス一世の暗殺を企ててParliament of England の地下に爆薬を仕掛けた(Gunpowder Plot)が未遂に終わる。11月5日に逮捕された彼は翌年死刑となる。
 
カトリックの過激派テロリストからイギリス国教会が勝利を収めた日として、この事件以後、イングランドでは11月5日をGuy Fawkes Dayとして祝うようになった。爆薬にちなんで、近年は街の各所で派手に花火が打ち上げられる日となっている。特に今年は400周年記念ということで盛大な花火祭りが各地で行われるようだ。実際、このブログを書いている夜中の1時でも、外ではあちらこちらで花火の音が聞こえ、硝煙の匂いが漂うほど町全体が異様な昂ぶった雰囲気に包まれている。
 
というわけで、日本では花火といえば夏のものだが、イギリスにおいては花火は秋と冬の物とされる。ちなみに、カトリックの国であるアイルランドはこの日はいつもと変わらない静かな夜なのだそうだ。
 
 
今日のイギリス英語
 guy = お前、やつらという意味でよく使われる guy はアメリカでもイギリスでも多用されるが、そもそもはこのガイ・フォークスの名前に由来している。